先生のおはなし

ひとりごと「聞いてほしいなあ」

03. たまには愚痴も言わせてよ


 今小児科医は疲れている。特に病院勤務の小児科の先生は本当に疲れている。

 北播磨では輪番制といって病院が毎日順番に小児救急を行っているが、平均1週間に2回は当直している。ひどい時には週3回も当直し、そのうえ当直明けでも帰れずPM5時までの仕事が待っている。こんな過酷な勤務で、報われるのはお母さんの有り難うございましたの一言。

 でも時には、「こんなに熱が出ているのに1時間も待たせて。」とか、「時間外のほうがすぐに診てもらえるから時間外しか受診しない。」とか耳にすることがある。小児科がコンビニ化して、いつでもすぐに診てもらえるものと考えられてくるようになったせいだ。

 平成16年4月から子どもの時間外診療費が高くなったけれど、時間外患者を診れば懐が潤うので小児科医が時間外診療を拒否することはないだろうというお上の考えが見えてくる。小児科医はお金がほしくて働いてきたんじゃない。時間外に診て欲しいという要請があるから小児救急を行ってきたのだが、もうその限界に達してきていることを詳しくご存じないようだ。

 日本のどこを見ても小児科医が余っているところなんてない。もし小児救急を大切にするのなら子どもも小児科医も大切なんだってことを知ってほしい。


藤田先生



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