先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その2 耳よりなはなし


 診察室では、先生が腰をかがめて何人もの子どもの耳をのぞき込んでは大きなため息をついています。どうしたのかって?

 それはね、熱の原因が中耳炎じゃないかと思って、鼓膜が赤くなっていたり、水が溜まっているのを見ようとしても、耳あかで中が見えなくて困っているんだ。小児科のお医者さんにとって耳はいろんな病気を教えてくれる大切な場所なんだ。

 というわけで、今日は藤田先生の大敵、耳あかのおはなし。

 耳あかには、乾いたのとネトネトしたあめ耳といわれるものの二種類があるよね。先生のは、ねっとりしたチョウあめ耳です。でも最近は年をとったせいか、少し固まってきたそうです(これはヒミツ)。ちなみにぼくには耳がないので、耳あかの心配はないんだ。

 「赤ちゃんの耳掃除はどうしたらいいの?」と、よく聞かれるけど、乾いた耳あかだったら放っておいても勝手に出てしまう仕組みになっているらしいんだ。口を動かして、もぐもぐするだけでも出てしまうし、もともと耳の中の皮膚が外に向かって動いているんだって。だから掃除なんて気にしなくていいって先生は言ってるよ。でも耳の奥を見てみたいのに、耳あかでふさがって見えないときだけ、「耳鼻科の先生で取ってもらってね」って言ってるよ。

 じゃあ、あめ耳の場合はどうしたらいいのかって?耳をふさいでしまう程の耳あかはまず考えられないので、回数多くとる必要はないんだ。でもうまく取れないのも事実だよね。耳鼻科の先生に年1〜2回取ってもらうのがいいのじゃないかなと先生は言っています。

 「お風呂上りの耳掃除はどうしたらいいの?」という質問もよく受けるよ。

 お風呂上りに綿棒を使って取ろうとしても、せっかく自然に出てきた耳あかを奥に戻してしまうだけだよね。それを何度も繰り返すと、耳の奥に耳あかの固まりが押し固められてしまうことがあるらしいんだ。もし掃除をしたいなら、耳の入り口に出てきたものをつまんで取るだけにして、お風呂の後の耳の中の水もタオルで軽く拭くぐらいでいいらしいよ。赤ちゃんに限らず、子どもの耳掃除は無理にしなくていいし、どうしても耳あかが気になるんだったら(とくにあめ耳なら)耳鼻科の先生に取ってもらうのが安心だよ。もちはもち屋、どら焼きはどら焼き屋にということかな。


おまけに一句

  「耳あかとママのへそくり同じもの 困ったときだけ出してみる」


ドラえもん



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