兵庫県西脇市にある小児科医院。予防接種、乳幼児健診など。「子どもが子どもらしく育つ環境づくり」に積極的に取り組みます。
今月も小犬の話だよ。本格的な夏が来て、毎日暑いよね。先生のお家の子犬は毛が多いので暑い夏は大変なんだ。食欲も落ちているみたいで、餌を食べようとしないんだ。このあいだなんか、一日中食べなかったんだ。これはどうもおかしいと我がホームズ君は考えたんだね。違った、先生は考えたんだ。これは誰かが餌付けをしているんじゃないかと。調べてみるとやはりドッグフード以外の餌を誰かが与えていたんだ。その時先生は思ったんだ。小さいうちから味の濃い食べ物を食べていると、大きくなったらそんなものしか食べなくなるんじゃないかとね。そこで、先生は暇にまかせて調べてみたんだ。そこで今回は離乳食の味付けについてお話するね。 「おふくろの味」って言う言葉があるけど、何歳頃から食べ物の味の記憶があると思う?・・赤ちゃんに聞けないからはっきりした事は言えないけど、ねずみの実験ではこんな事が分かっているんだ。 まず、甘いものの実験だよ。ねずみを二つのグループに分け、一つの群にだけ離乳期に砂糖水の甘い味を経験させておくんだ。もう一方には砂糖は与えないんだよ。しばらくこんな状態を続けて、成長したら中止しておくんだ。中止した後しばらくして、もう一度砂糖水を両者に与えたところ、離乳期に砂糖水を飲んでいた方が、その経験のないねずみより多量の砂糖水を飲んだんだ。小さいときから甘い食べ物を与えられると、成長後も甘い食べ物を好むようになるってことがわかるよね。 今度は、塩味についての実験だよ。これもねずみの実験なんだけど、同じように、二つのグループに分けるんだ。一方には生後80日まで飲み水として食塩水を与え、その後5ヶ月までは普通の水に戻しておくんだ。もう一方の群には最初から普通の水を与え続けるんだ。そうしておいた後、両方のねずみに普通の水と食塩水のどちらかを自由に飲めるようにしたところ、食塩水を飲んだ経験のあるねずみは好んで食塩水を飲み、その経験のないねずみは普通の水しか飲まなかったんだ。小さい時から塩辛いものを食べつけていると、おとなになってからも塩辛いものを好むようになるってことだよね。 思った通り、離乳食の味付けが大人になってからの味の好みに影響するんだね。だから離乳食はうす味の方がいいし、できたらお母さんが自分の手で作ってあげればもっといいよね(本当のおふくろの味だよ)。でも市販されている離乳食品もいいのがそろっているから心配しないでね。 |
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