先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その6 ちょっと歯の痛い話


 今回も子犬の話からだよ。子犬もようやく5ヶ月になって歯が生え替わってきたんだ。じゃれつかれた服についた血で先生も気付いたんだけれど、それでも食欲は変わらないみたい。「この犬の食欲には恐れ入るな。」って、夏になっても何故か少々体重が増え気味の先生が言ってたよ。大人の歯になるのはいいけれど心配なのは虫歯。今日は子どもの虫歯の原因は誰が作るのかというちょっと耳の痛い(歯の痛い)お話だよ。

 虫歯はみんなも知っているように、ミュータンス菌が歯にくっついて起きるんだよ。よくコマーシャルなんかでもやっているよね。子どものミュータンス菌はどこからやってきたのかというと、母親から子どもにうつっていることがわかったんだ。このミュータンス菌は、口の中に砂糖があるととても繁殖しやすいこともわかっているんだ。お母さんが甘いもの好きなら、間違いなく子どもも甘いもの好きになるんだ。そしてもしお母さんに歯を磨く習慣がなかったら、子どもも歯を磨くわけがないよね。つまり、お母さんの生活習慣や、食事習慣が子どもの虫歯を作るということなんだ。

 1歳6ヶ月児の食生活習慣と虫歯の関係という研究あるんだ。おもしろいから紹介するね。

 まず、1歳6ヶ月になってもまだ哺乳している子と、もう卒業した子を比べると、哺乳を続けている子の方が虫歯が多いんだ。その中でも母乳を飲んでいる子や、ほ乳瓶で甘味飲料を飲んでいる子に虫歯が多いんだよ。そして寝る前に飲む子の方がそうでない子より多いんだ。甘味飲料というのは乳酸飲料、炭酸飲料と市販ジュースの事だよ。甘味飲料を、ほ乳瓶でおまけに寝る前に与えると虫歯になりやすいということなんだ。最近よく飲まれるスポーツ飲料はというと、やっぱり虫歯になりやすいこともわかったんだ。スポーツ飲料にも砂糖が入っているんだよ。

 こうしてみると、お母さんが知らないうちに虫歯の原因を作っていることがわかってもらえたと思う。でも逆に言えば、予防もできるという事なんだよ。ミュータンス菌は、生後19カ月から31カ月がもっとも感染しやすいんだ。3歳までは余分な砂糖を与えないという強い意志で育児頑張ってね。

先生わかった?子犬にもあめ玉なんかあげないでね。


ドラえもん



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