先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その2 体の神秘の巻


 お正月が来たと思っていたら早いものでもう5月。今年も花粉症大変だったよね。うちの先生もずっとマスクを着けて診察をしていたんだけど、その中は鼻水やつばでグチャグチャになっていたんだ。でも花粉症の鼻水は悪いものではないんだって先生言ってた。鼻水は鼻の中の花粉を洗い流すために出てきているんだって。という訳で、今日は「体の反応は悪いものではないんだぞ」というお話。

 病気の症状と言えば、咳、吐く、下痢、痒み、熱などがあるよね。この症状の持つ意味を考えてみるね。

 :咳がどんな時に出るかというと、気管やのどにものが詰まった時だよね。気管に詰まるものといえばもちろん痰(たん)だし、のどに詰まるものといえば鼻やつばだよね。つまり咳は、呼吸するのに邪魔なものをどけてしまおうとする体の働きなんだ。だから風邪をひいたからといって咳止めを飲むなんて本当はいけないと言うことが分かってもらえるんだけど、と先生は言っているよ。「咳止めを出しますね」と言っているけど、本当は痰を出しやすくする薬を使っているんだよ。

 吐く・下痢:ばい菌や毒などが体に入ってきたら、体は何が何でもすぐに体外に出してしまおうとするんだ。邪魔ものが食道や胃袋にあれば吐いて口から出してしまうのが一番早い方法。でももし胃袋を超えて十二指腸や小腸や大腸にまで行ってしまえば、今度は下痢を起こして肛門から出してしまえば早く取り除けるよね。このように下痢や嘔吐は体の防御反応としてとっても重要なんだ。吐き気止めや下痢止めなんて腸風邪の時に使えば本当はあまり良くない場合があることが分かるよね。

 痒み:皮膚の上に何か悪いものが乗っかっているとそれを取り除くのに一番早い方法は手を使って取ってしまうことだよね。皮膚に痒みを引き起こせば自然と手がそこに行ってしまうよね。だから痒いのは困るけど引っ掻くというのはとても大切な行為なんだ。

 :熱が上がれば体に入ってきたばい菌の繁殖は遅くなるし、白血球などの体の防衛軍の働きが強くなるんだ。つまり熱が上がればばい菌に負けにくくなるってこと。うかつに熱を下げることはいけないことが分かってもらえると思う。

 こんなふうに体にとって不必要な症状なんてないんだって事がわかってもらえたかな。



ドラえもんいろはカルタ

  くでもない薬漬けになるよりも、体のつぶやき上手に聞いて


ドラえもん



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