先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その5 注射痛いよーその1の巻


 お医者さんといえば、注射器を片手に持って聴診器を胸に当てているイメージがあるよね。みんなと同じで先生も注射は大嫌いなんだよ。先生の子どもの頃はよく病気をしていて、一日に3カ所の医院を回ったことがあったんだって。そしてその時にそれぞれの医院で注射を計3回打たれたことがあったって言ってた。「えへん、もちろん泣かなかったよ、ドラえもん。」って自慢していたけど、人に聞くとどうも嘘らしい。今のお医者さんは診察の度に注射をするなんてことはしないけど、注射はなくならない。たとえば予防接種があるよね。 受けなければいけない予防接種がたくさんあったり、このあたりではこの4月から予防接種の方法が変わったりと、難しくなっているんで、今回は予防接種の事を話すよね。

 何が一番変わったかというと、体調に応じて自分で予防接種の時期を決められるようになったことだよね。今までは期日指定で、その時期を外すと翌年の同時期まで打てなかった事からすると大いに進歩したよね。でも今先生が心配しているのは、自分で決めるということは、逆に言えば必要な予防接種まで受けないまま終わってしまうこともあるって事なんだ。

 今一番心配なのは風疹の予防接種。風疹のワクチンは少し前までは中学生3年生の女子だけに強制的に学校で打たれていたんだけど、法律の改正で個別に病医院で打つようになったんだ。そうするととたんに注射を打ってもらう生徒が減ってきたんだ。今の女子高校生たちから20数歳までの妊娠可能な女性の予防接種率は極端に低いんだって。それがなぜ心配かというと、風疹の予防接種をしなかった女性が将来妊娠したときにどうなるかって事なんだって先生言ってた。

 みんなも知っていると思うけど、妊婦が風疹にかかると風疹ウイルスは胎児に取り付いて大きな奇形を起こすんだよ。予防接種を打っていないと風疹にかかる可能性が高く、お腹の赤ちゃんにまで大いに影響を及ぼすって事なんだ。今、岡山県では風疹が流行している。この流行が兵庫県にまで流れてこないか関係者は本当に心配しているんだって。天然痘やポリオのようにこの世から病気をなくすためにはみんなが予防接種をしなかったら絶対なくならない。周りの人が打っているから自分は打たなくても感染することはないなんて言っている人もいるけど大間違い。自分が打たなかったら他人に、ひいては自分のお腹の子どもにまで迷惑をかけているんだと思ってほしいって先生言ってた。

 予防接種の計画表をよく見て、わからなければお医者さんとよく相談をしてくださいねって先生いつも言ってるよ。

つづく。


ドラえもん



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