まず、麻疹の話。兵庫県ではあまりはやらなかったけれど、平成１３年に沖縄や大阪で大流行したんだよ。１年間で日本では約１０万人から３０万人がかかり、子どもの死亡数は１０人くらいっていわれている。世界では約３千万人がかかり、約９０万人が亡くなっている。麻疹は今でも怖い病気だよね。でもねアメリカやカナダでは予防接種を２回しているから全く流行が見られなくなってきているんだ。今アメリカでは海外から入ってくる輸入麻疹が問題となっているんだよ。どこの国から一番多く麻疹が入ってくると思う？・・それはね、日本なんだよ。アメリカではすべての予防接種をしないと子どもは絶対保育園に預かってもらえないくらい徹底しているんだ。日本との間で輸入製品についていろんな貿易摩擦があるけど一番問題なのは麻疹なんだ。１歳になったら絶対麻疹の予防接種は打ってね。ちなみに日本でも２回接種が検討されているんだけど、もう少し先の話かな。

　次に三種混合ワクチンのお話。ジフテリア、破傷風、百日咳の三つが入っているワクチン。予防接種を行い始めてから大きな流行が見られなくなった百日咳が、予防接種を中止したとたん大流行したことがあったんだ。１歳までの赤ちゃんがかかると呼吸ができなくなるくらいの咳の発作がでて、脳に酸素が行かなくなり、亡くなったり大きな後遺症を残したりしたんだ。予防接種を再開して流行は収まったけど今でも時々見られる病気。破傷風も傷口から入ってけいれんを起こす怖い病気。だから３か月を過ぎたらすぐに打ち始めてほしいんだ。

　ポリオは日本では全く見られなくなった病気。稀にポリオワクチンで発症するくらいだから生ワクチンの中止が本格的に検討されているらしい。

　日本脳炎は後遺症や死亡率などのことを考えるとまだまだ必要なワクチンなんだって。

　任意接種のワクチンとしておたふくと水ぼうそうのワクチンについてだよ。おたふくそのものは怖くはないんだけど、おたふくにかかることで起こりやすい病気に髄膜炎と難聴があるんだ。難聴になるともうほとんど治らない。予防接種しておいた方がいいって先生は言ってた。

　水ぼうそうは今はいい薬があって早く飲むと軽くてすむんだ。でも顔に子どもの頃の水ぼうそうの跡形のある大人の方を見るとやっぱり打っておいた方がいいって先生言ってたよ。