先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その8 また秋が来てしまったその1の巻


 いつまでも暑いと思っていたら、台風が来たとたん朝晩が寒くなってしまったよね。いよいよ秋到来。秋といえば食欲の季節だけど、先生にとってもうひとつ重要な意味があるんだ。それはね、喘息の季節でもあるんだからだよ。今回は気管支喘息の話をするね。

 喘息っていうのは、一般的には急にゼーゼーといい出して呼吸困難がくる病気でこれを繰り返すのが特徴なんだそうだ。子どもの呼吸困難というのは、息苦しくて夜寝られない、会話もできない、食事もできない状態などを指すんだって先生は言ってた。

 原因はアレルギーなんだけど、鼻でアレルギーが起こればアレルギー性鼻炎と呼ばれ、目で起こればアレルギー性結膜炎と呼ばれるのはみんなも知っているよね。気管支喘息は気管支で起きるアレルギーなんだよ。何のアレルギーが多いのかっていうと、一番は家のほこりなんだ。そのほとんどが家ダニ(チリダニってよばれている)なんだって。どこに多いのかっていうと布団、じゅうたん、ソファー、枕、ぬいぐるみなどだよ。もうどこにでも居るって感じ。ダニの次に家のカビもアレルギーの原因になりやすいんだって。餅やパンなどにカビることが多いから、家中にどんなにカビが多いかがわかるよね。普段布団をあげないベッドなんかにも案外多いんだよ。そのほかに花粉も喘息の原因になるんだって。

 アレルギーは何でおこるんだろう。先生の説明では持って生まれた体質にも問題があるらしい。いわゆる「アトピー」と「気管が弱い」ってやつ。「アトピー」っていうのは、何でもかんでもアレルギーを起こしやすい体質って覚えておけばいいんだって。「気管が弱い」ってことは特に気管でアレルギーを起こしやすいということなんだそうだ。こんな体質を素因っていうんだよ。

 でもおかしいと思わない?家のほこりだって、カビだって吸い込まない日はないぐらい毎日たくさん吸い込んでいるんだけど、じゃあ毎日喘息発作が出るかっていうとそんなことはないよね。喘息の原因が、アレルギーと素因だけではないってことが分かるよね。たとえば風邪を引いたりすると喘息が出やすいのが分かっているし、タバコなんかで空気が汚染されて発作がでやすくなるんだよ。そのほかにも低気圧が近づいた時、激しい運動をした後、食事を無茶食いした時、ひどく怒った時なんかに出やすい人がいるんだ。要するに、喘息というのはこれらの原因が複雑に絡んでいるってこと。そしてアレルギーが少しなら体力で抑えきれるんだけど、アレルギーが大きくなるとちょうどダムから水かさを増した水があふれてこぼれだすように発作が出ると考えたらいいんだって先生が説明してたよ。


ドラえもん



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