先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その13 テレビが消えた日の巻


 こんにちは、僕ドラえもん。今年もようやく春がやってきたよね。花粉症を持っている先生にとっては大変な季節。幸い今年は花粉量が少なくて少しは人並みの生活ができているって先生言ってたけど、診察中マスクをしていても許してあげてね。マスクの下は鼻水でぐちゃぐちゃになっているんだって。

 ところで前にテレビのことを話したけど、反響が大きかったんだ。できるだけテレビを止めますとか、孫のためにも娘によく伝えておきますとか、ぼくはとても嬉しかった。医院に来られた方はご存知だと思うけど、先生は医院でもテレビをつけるのを最近やめたんだ。もちろんテレビの害のこともあるんだけど、お母さんは子どもさんにもっともっと絵本を読んであげて欲しいと思ったからなんだって。昔、先生の子どもさんへの読み聞かせは奥さんがほとんどされていたんだけど、先生もたまには寝る前に読んであげてたんだよ。「ぐりとぐら」とか「郵便やのくまさん」とか「はらぺこあおむし」とか今でもすぐ思い出せる絵本は多いんだって。

 今、活字離れが進んでいると言われているよね。テレビやファミコンがあふれている生活環境とも関係しているんだけど、小さい頃から本に親しんできていないのが原因のひとつとも考えられているんだ。本を一人で読めるようになるのは文字を理解できるようになる小学校低学年頃だと思うんだけど、それまではお母さんやお父さんの良い本を読んであげる「読み聞かせ」がとても大切なんだ。みんなは子どものころ読んでもらった話にハラハラドキドキしたり、怖い思いをした覚えはない?このように子どもの心や感性をつくるのに読み聞かせはとても大切なんだよ。

 そしてもっと大切なことは「絵本を読んであげる」そのこと自体が子どもに対する愛情そのものであり、愛の表示そのものだってことなんだ。もっといえば、こどもはそういうことをしてくれる人だからこそ、あなたのことをいっそう好きになるんだってこと。そして好きな人だからこそ、あなたにもっと本を読んで欲しかったり、お話をして欲しかったりするんだよ。

 そしてお話や読み聞かせを通して子どもと親がスキンシップつまり「抱っこ」できることが一番大切なんだ。子どもが実感するのは話の中身や内容よりお母さんのぬくもり。このぬくもりや温かさが人間形成の基本だと考えられているんだよ。

 で、先生は待合室のテレビを止めました。少しの時間しかないけど、せっかくの機会だから待合室の絵本でもいいし、おうちから持ってこられた絵本でもいいから子どもさんに読んであげてね。


ドラえもん



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