先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その18 これも成長痛?の巻


 こんにちは、僕ドラえもん。みんな元気にしてる?・・先生はあいかわらず食欲旺盛で夏バテ知らず。でも最近は運動不足でちょっと体を使うだけで、体のあちこちが痛くなるみたい。先生自身は「成長痛」なんて言ってるんだけどね。そう言えば先生の外来でも「この子の足の痛みは成長痛ですか」ってよく質問されてるみたいだけど、この分かったようで分からない本当の成長痛について今日は先生に訊きました。

先生「明らかな原因がないのに夜になると突然足(特に膝)が痛んで、朝になると嘘みたいに治っちゃう病気なんだ。2歳から8歳くらいの成長期の子どもに多くて成長が済めば自然と痛みを訴えなくなるんだよ。痛みの強さは軽いものから激痛まで様々で、毎日続くことは少なくて週に1〜2回から月に1〜2回のこともあるくらい頻度も様々なんだ。」

ドラ「どうして足が痛んでくるの?」

先生「ウーム。難しい質問だね。今3つその理由が考えられている。一つ目は疲労説。よく運動をしたために足の筋肉や関節が疲労してくるのが原因だという考え方だね。二番目は変形説。骨の成長に比べ筋肉の成長が遅いものだから、骨にくっついている筋肉が骨の成長についていけず、筋肉や腱が軟骨や骨を引張ってしまうために痛みが出てくるという考え方だね。三番目はこれが一番重要なんだけど、心因説。この病気はきっかけとして次の子どもが生まれる時に発生することが多いと言われているんだ。そのことから考えると親や周りの人にかまって欲しいという気持ちの現れだという考え方だね。」

ドラ「じゃあ、子どもは嘘をついているの?」

先生「そうじゃないよ。本人は本当に痛いんだよ。だからやさしく大人の手で撫でてかまってあげることが一番大切。大人だって自分の苦しみを人に聞いてもらったら胸のつかえが取れて楽になるよね。子どもも一緒。足の痛みを訴えている時だけでなく、普段の生活から大人の愛で包み込んであげて欲しい。そんなことが必要な時だと子どもが訴えていると思ってほしいんだ。」

ドラ「最後に、子どもが足が痛いって言ったらどんな時に病院へ行けばいいの?」

先生「昼間も痛みが持続している時、痛みがどんどん強くなったきた時、ここが痛いとはっきり場所を指でさせる痛みの時は要注意。膝の痛みの様で実は股関節の痛みであったり、背骨の問題であったり、血液の病気であったりすることもあるから気になる時は一度は整形外科や小児科の先生に診てもらってください。それと成長痛とわかったら入浴もいいし湿布もいいよ。」

 やっぱり先生の体の痛みは成長痛じゃなかったんだ。


ドラえもん



トップページ > 先生のおはなし > 連載コラム「ドラえもんのポケット」 > Part2・その18

トップページ > 先生のおはなし > 連載コラム「ドラえもんのポケット」 > Part2・その18