先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その22 突然だけどシズかに聞いてほしい話の巻


 乳幼児突然死症候群って知ってる?・・英語の頭文字をとってSIDS(シズ)とよばれているんだけど、一度は耳にしたことがあると思う。欧米ではとても有名で、「シズを知らないのはシズで死亡した子どもだけである。」といわれているし、あのダイアナ妃が日本に来られた時に「日本のシズはどうなっていますか?」って尋ねられたほどなんだって。今日はこのシズの話をするね。

 ところで、前に話したことがあるんだけど、乳幼児の死亡原因の一番はなにだか覚えてる?・・そう、子どもの事故死だったよね。このシズはなんと死亡原因の第三位なんだ。平成8年ごろだと子ども二千人に一人くらいの発生率だったって先生言ってた(古いことは先生に聞くのが一番)。古いついでにもうひとつ、有名人では元横綱千代の富士の娘さんもこれで亡くなって、当時の新聞をにぎわしたんだって。

 なんで、このシズが話題になるかというと、この病気が主に生活の場である家庭で発生することから家族に大きな精神的ショックを与えることと、保育所なんかで発生すると、事故との鑑別から訴訟問題になることも少なくないからなんだ。正しい知識を身につけておくことがとても大切だっていうこと。

 原因については詳しくは分かっていないらしい。一時はうつ伏せ寝の児が多かったから、窒息が原因だといわれていたんだけど、どうもそうではないらしい。「誤解を恐れずに言うと、赤ちゃんはまだ呼吸のリズムが出来上がっていないので、眠りが深いと呼吸をし忘れてしまうのが原因。」って先生言ってた。

 原因は分からないけど、いくらかの育児環境がシズの発生を多くするはわかっている。



シズ発生育児環境

1.うつ伏せ寝:仰向け寝とうつ伏せ寝を比較してみると、約3倍うつぶせ寝のほうが発生しやすいんだって。どうもうつぶせ寝のほうが深く眠りに入れるからなんだろうって先生言ってたよ。

2.人工ミルク:母乳栄養児より人工ミルク栄養児のほうが約4.8倍多く見られるんだって。母乳のほうが赤ちゃんと接する時間が多いからかもしれないよね。

3.両親の喫煙:両親の喫煙習慣があると喫煙習慣のない場合と比較して4.7倍の発生率があるんだよ。母親の妊娠中のたばこも、子どもの周囲の喫煙もいけないんだよ。



 欧米ではうつぶせ寝を止めようというキャンペーンをして、突然死する赤ちゃんが急速に減ったんだって。日本でも、

1.仰向け寝で育てよう 2.タバコを止めよう 3.できるだけ母乳で育てよう

とアピールしてきたら、最近ではシズで亡くなる子が約半分になってきたんだ。この小さな大切な命をみんなで守ってあげたいよね。


ドラ焼きを詰めて死にかけたドラえもん



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