先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その26 タバコ問題ふたたびの巻


 皆さんこんにちは、僕ドラえもん。4月の先生はかわいそう。毎年のことなんだけど、今年は花粉で相当参っていたみたい。「考える気力がわいてこないよ、ドラえもん」だって。マスクをして診察をしていたけど、その中は鼻水でぐちゃぐちゃ。だれも見たくはないんだけどね。

 そのつらかった4月も終わりもう5月。5月は先生にとって大切な月。それはね、5月31日が世界禁煙デーだからなんだ。今日はこの話をするね。

 皆さんは、世界禁煙デーって聞いたことがある?WHOが決めたものなんだけど、今年で18回目で、喫煙者には一日喫煙を控えるように呼びかけ、各国政府・自治体・個人などには喫煙と健康について考えるように呼びかける日なんだ。西脇の医師会では、昨年のこの日に医師会近くの歩道橋に大きな垂れ幕を張ってただけだったけど、今年は6月11日に2名の講師をお呼びして、禁煙のための市民公開講座を開くらしいんだ。題して「日本のへそで禁煙を叫ぶ」。機会があったら、皆さんも参加してね。

 こんなにも禁煙が叫ばれるのは、やっぱり喫煙が良くないからなんだよね。兵庫県は、平成11月に「ひょうご健康づくり県民行動指標」っていうのを作ってるんだけど、その中で「家族や仲間をいたわる心で タバコ ゼロ」というのがあるんだ。タバコが各種のがん、呼吸器疾患の原因となることが確認されて確実に喫煙者本人の健康を害するし、タバコの先から立ち上がる煙が喫煙者が吸い込む煙より有害な物質を多く含むため、愛する家族や仲間に様々な悪影響を及ぼすからなんだ。

 未成年の喫煙、家庭内の妊娠・乳幼児のいる場での喫煙、やがて妊娠されるだろう若い女性の喫煙などを先生は今心配しているんだ。未成年が成長期にあたる時期に喫煙すると、大人より強く体に悪影響が出ることがわかっているし、脳の働きや集中力も落ちるんだ。また妊婦が喫煙すると低体重児が生まれやすかったり、流産したり、乳幼児突然死症候群が起こりやすくなるんだ。乳幼児を持つ女性の喫煙は、タバコの煙と母乳の両方から乳児に悪影響を及ぼすということなんだよ。

 タバコの自動販売機は、今、日本中で約63万台あるんだけど、これって国民200人に1台の割合。「こんなにたくさんの販売機が未成年の近くにあるなんて、これを異常と思わないほうがおかしい」って先生は僕によく愚痴をこぼすんだ。「生まれる子どもが少ないことを心配する人は多いのに、せっかく生まれてきた子どもに良い環境で育つ権利を与えないなんておかしいと思う」。子どもの権利条約を勉強した先生、少し鼻息があらい。

 タバコ問題を含め、地域みんなで子どもを育てるということを考えましょうということなんだよね。


ドラえもん



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