先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その29 いい本みっけの巻


 こんにちは、ぼくドラえもん。空梅雨と思っていたら一転、集中豪雨。本当におかしな天気が続いたけど、ようやく日本の夏がやってきた。夏ばてせず、みんながんばってる?先生は8月に開かれる学会の準備委員になっているのでとても忙しそう。忙しすぎて少し体の調子を悪くし、本来怖くて受診するのも嫌な病院へ、奥さんに引っ張られて検査を受けに行ったんだ。結果は何ともなかったらしいんだけど、患者さんの気持ちが少し分かったらしい。診察室の態度も、ぼくから見てもよくなった気がする。災い転じ…だよね。

 忙しさのおかげで先生の交友は広いんだ。札幌から沖縄までいろんな小児科の先生と知り合いなんだよ。そのうちの一人の先生が、最近育児書を書かれたといううわさを聞いた藤田先生、早速その先生にメールを入れてみた。「すばらしいご本を書かれたと聞きました。よければ1冊サイン入りで戴けませんか?」だって。あつかましいにもほどがある。でも先生の友達を見る目は確かで、早速送られてきた。「育児ストレスがなくなる のびのび赤ちゃん育て」(PHP研究所)という本だった。著者は横井茂夫先生。藤田先生より3歳年上。この横井先生と藤田先生の出会うきっかけは、ある学会で、昼食の時間に込み合っている食堂でたまたま相席となった時お話をし、意気投合してお昼ご飯をおごってもらったことなんだって。ご飯といい、本といい戴いてばかりだよね。

 本を開くと直筆で、「子ども達がのびのび育ちますように」と書いてあった。封筒には一枚手紙がついていたんだ。「小児科医には2時間で、母親には1日で読める育児書です。悩んでしまうまじめなお母さんが、少し手が抜けることを期待できる育児書です」と書いてあった。

 次の目次のページを見て先生、大いに喜んだんだ。「こんなことやらなくていいんだよ」「ママはがんばらない」「ママも赤ちゃんも気持ちいいを大切に」「赤ちゃんを楽しんじゃえ」などなどの見出しがついていた。そしてこんなことも書いてあったよ。「悩んだときは、あなたと、そして、赤ちゃんが楽だと思うほうを選んでください。お母さんが楽に楽しく過ごしたほうが、赤ちゃんもリラックスできるのですから」。

 横井先生の専門は小児発達学。実は藤田先生は、ある専門書を参考にして子どもの発達を診ていたんだけど、その本を横井先生が書かれていたって知って、びっくりしたことがあるんだ。見た目は医者というより、東京の落語家風情。そういえば学生時代は落研だったらしい。そんなやさしい横井先生が書かれた育児書、ぼくも一気に読みました。そして皆さんにお勧めします。


ドラえもん



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