先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その34 あけましておめでとうございますの巻


 皆さん、あけましておめでとうございます。ぼくドラえもん。今年も一年、先生と一緒に子育ち支援をがんばるね。

 今回は年の初めだから、小児科医としての考え方の基本を先生に書いてもらいました。



藤田先生から一言》

 「大学を卒業後、母校の小児科に入局し、未熟児新生児医療に関わっていましたが、その後、外来診療の魅力にはまり齢40にして開業、いつの間にか12年が経ってしまいました。

 開業3年目に近隣の産科医院より、新生児診と健診を依頼されたのが小児科医としての大きな転機となり、今『小児科医による子育ち支援』に向けて走り出しています。

 ところで最近は『子育て支援』ではなく『子育ち支援』というようです。子どもが育っていくのを見守ってあげるのが、大人の役目のようです。

 今、日本は少子高齢化社会という言葉に満ち溢れています。戦後、出生数は低下の一途をたどり、公園で目にするのは子どもではなくゲートボールに興ずる老人たちの姿だけ。子どもを大切にしない国は滅びるしかないのは自明の理なのに、この国はどのように大切にするべきなのかわからなかったようです。わかっているのに、お金がかかるからという理由で無視されていただけなのかもしれません。最近になって、ようやく子どもたちに目が向けられるようになりました。でもその理由は将来の働き手、つまり税金を納める人口が減るからという理由です。本当にそれでいいのですか?

 昨年末より、子どもたちについての暗いニュースが連続して流れました。悔しくって仕方がありません。地域で子どもが守れないというのはどういうことなのかを考えてしまいました。ひょっとしたら日本人は、子どもが大切でなくなったのかもしれません。

 私は子どもがかわいくって仕方がありません。どんなに疲れていたって、子どもの笑顔で癒されたことは一度や二度ではありません。自分の子どもだけじゃなく、他人の子どもだって同じです。これが、小児科医としての私の原点なのです。

 私たち小児科医のもうひとつの目的は、母親を支援することです。子どもの心のケアともに、母親の心のケアが子育て支援に大切であることに気付いた時、「親子のための安心できる外来作り」が、生涯かけて楽しみながらできるテーマとなりました。

 そして、禁煙活動、事故予防活動、母親教室などについて、お母さんたちと一緒に行動したいと考えています。難しいことは必要でなく、やるべきことは私たちのすぐ横にあり、誰にでもできるものだと考えています。今年は、そんな母親の会を作れたらと思っています。有志の方、集まりませんか。」



ドラ焼きに囲まれたお正月を初夢に見たいと考えているドラえもん



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