先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その47 あまえたっていいじゃない、人間だものの巻


 皆さんこんにちは、ぼくドラえもん。毎日寒いけどみんな元気にしている? 藤田先生は、もうこの1月から、東京へ勉強会に行ったり、会議に出席したりと活動を開始したよ。今日は、勉強会で知った子育てに必要な「あまえ」についてのお話だよ。

 皆さんは「お母さんはこどもの心の安全基地」っていう言葉を聞いたことがあると思うけど、この安全基地は子どもの心の発達には欠かせないものなんだけど、これが子どもの心に芽生えるためには、あまえが必要っていうはなしなんだよ。  

 「あまえとは、子どもが信頼する人や物に安心や遊びやふれあいをもとめて、自分から進んで接していく行動のこと」って定義されているんだ。赤ちゃんは最初、喜怒哀楽をお母さんにぶつけ甘えるんだけど、このときお母さんが優しくお母さんに抱きかかえられあやされると、赤ちゃんの中に温かい心ができ、お母さんは何があっても自分を守ってくれるという母親との安定した愛着関係ができる。これが将来の子どもの生きる基礎、自信になるんだよ。そして1歳半から3歳にも、お母さんと接近する時期がある。大好きなお母さんを独り占めにしてあまえ、またお母さんをかきまわして叱られ、我慢することを教えられるんだね。このようにして子どもの心にすばらしい母親像ができ、心の安全基地が出来上がるんだ。こうなると、自分を大切にする気持ちや、他人を思いやる気持ちができ、対人関係の基礎が出来上がるんだよ。このようにあまえは子どもの心の発達に欠かせないものだっなんだね。

 もし、このあまえがなかったらどうなるかというと、本当の自分が形成されず、偽りの自分(我慢をし、他人に合わせる自分)で生きてしまうことになるんだって。そしていつか地雷を踏むように何らかのきっかけで爆発してしまうことになる。神戸の事件や、奈良の母妹放火殺人事件などの大きな事件だけでなく、虐待問題、不登校拒食症などの心身症にもこのあまえの欠如が関わってきているらしい。

 忘れてはいけないのは、日本流子育ての抱っこ、おんぶ、添い寝、親子入浴が典型的なよいあまえで、度の過ぎた金品・品物を要求するなどの、子どもが母を操るようなあまえは、本当のあまえではないってことだよ。

 非行に走る子どもたちの多くは乳幼児からのトラウマを多く持っているんだけど、このあまえの利用で立ち直ることもできるんだ。本当のあまえで今の荒廃した日本を救えるかもしれないって、先生は考えているんだ。

 「もうすぐ子育てを経験された団塊の世代がリタイアされます。今後その多くの時間を『リサイクルマザー、ファーザー』として、再び他人の子育てを支援できる存在になってもらえればいいね」って先生は言ってました。


ドラえもん



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