先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その48 やっぱり予防接種は必要だの巻


 こんにちは、ぼくドラえもん。3月の最初の週は毎年予防接種週間。そこで今日は予防接種についてのお話だよ。

 その1 定期接種として、現在市町が補助してくれているのは、BCG、ポリオ、麻疹風疹混合ワクチン、三種混合ワクチンと日本脳炎ワクチンだよね。このうち、日本脳炎は一時期中止になってしまったけど、本当にこれで安全なんだろうか、という疑問が当時からあったんだ。外で飼っている犬と家の中で飼っている犬で検査し比較したところ、外で飼っている犬には日本脳炎の抗体が高かったというデータがあるんだ。ということは、家の外には日本脳炎のウイルスを持っている蚊がこの日本でもまだ多くいるということだね。その不安を裏付けるかのように、昨年の夏、九州で日本脳炎の患者が3名出てしまったんだ。それで、厚生労働省は日本脳炎ワクチンを打つ必要があることを言い出してきた。日本脳炎は危険なワクチンだから中止しなさいという大臣の鶴の一声で中止が決まったはずなんだけどね。ただし市町の保健センター(西脇なら健康づくりセンター)に行って許可をもらってから医療機関で打ってもらうことになるんだ。でも本当に必要ワクチンなら、こんなわずらわしい許可制は不必要で、従来通りに自由に打っても良いんじゃないかと思うんだけどね。手間はかかるけど、先生としても日本脳炎は打ってほしいと思っているんだよ。

 その2 昨年北播磨ではずっとおたふく風邪が流行していた。おたふく風邪の合併症としては髄膜炎が有名で、大体3%から10%に起こるとされている。脳におたふく風邪のウイルスが入り込んでしまった状態だね。でもこれのほとんどが自然に何もせずとも治ってしまうんだ。実は本当に恐ろしい合併症はおたふくによる難聴なんだよ。その多くは片耳だけだけど、一度なってしまうと治療法はなくほとんど治らない。時には両耳ともかかってしまうこともあるんだ。この2年間近畿地区の小児科医で調べたんだけど、約千人に一人の割りで罹患していることがわかったんだ。治療法がないとしたらどうしたらよいかというと、おたふく風邪にからないことが一番大切。かからないためには今のところワクチンを打つしか方法はないんだ。あるおたふく風邪難聴になった子どものお母さんは、おたふく風邪について、難聴という合併症のこともワクチンの大切さも教えていなかった医療サイドへの不満不信を述べられていた。多くの方がワクチンの恩恵を受けて欲しいと先生は思っているんだ。

 今後さらに大切なワクチンが導入される予定。みんなと一緒にワクチンについてもっともっと勉強していきたいなと先生は考えているんだよ。


なんだか注射が好きになってきたドラえもん



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