先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その59 飲ませちゃいやの巻


 こんにちは、僕ドラえもん。2月に入ってますます寒くなってきたけど、みんなは風邪もひかずに頑張っている?寒い夜には欲しくなるアルコールだけど、子どもにとっては危険な薬物だというお話をするね。

 「酒は、百薬の長」ってよく言われるよね。少量のお酒は大人にとって確かにどんな薬よりも勝るものがある。でも子どもにとっては、害以外の何物でもないんだ。

 妊娠中に母親が飲酒するとどうなるのか知っている?少量の飲酒でも、生まれる子どもに理解力や計算力の低下、行動異常(多動症など)、様々な脳の障害を引きおこすことがわかっているんだよ。また大量に飲むと生まれる子どもが胎児性アルコール症候群になる可能性が増えてくるんだ。これは、栄養障害による成長障害(低体重・低身長)、アルコールによる脳の発達障害(知能障害)や、心臓や指の障害を伴うこともある病気なんだ。

 一気飲みでアルコール中毒になることがあるよね。時には死亡することもあるんだけど、その原因は呼吸麻痺による窒息なんだよ。

 子どもは数か月から2年飲み続けると、アルコール依存症になるんだけど、そうなると精神障害・摂食障害・認知障害・他の薬物依存などの二次障害がでてくるんだ。そして暴力事件や自殺企図などの問題行動を起こしてくることはよく新聞などに載っているよね。

 子どものアルコール中毒を防ぐために大人がなすべきことはたくさんあるよ。



子どものアルコール中毒を防ぐために

 1.胎児はアルコールの影響を強く受けるので、女性は妊娠がわかったら、飲酒をやめるべき。米国食品医薬品局は「妊婦は一滴の飲酒もしてはならない」と警告している。そして母乳にもアルコールは出てくるので、気をつける必要があるよね。

 2.幼い子どもに対して、誤ってアルコールを飲ませることのないように気をつける。おとそ・梅酒・ワイン・チュウハイなど危険な飲み物は、子どもの手の届かない所に保管する。

 3.未成年に対して、

  a)未成年の模範となるように、ほどほどの量をたしなむ姿をふだんから見せておく。

  b)面白半分に「少しくらいいいだろう」という甘い認識で飲酒を勧めることは戒める。

  c)一気飲みがとても危険であることを教えておく。



 などがあげられるよ。

 アルコールはタバコとともに、シンナーや覚せい剤などの違法薬物乱用のきっかけとなることが知られている。大人は、タバコ、ドラッグ、エイズの害から子どもを守ってあげる必要があるんだよ。


ドラえもん



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