先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その63 アレルギーにアレルギーその1の巻


 こんにちは、僕ドラえもん。最近、食べものアレルギーを心配されて先生の外来に受診されるお母さんが多い様なんだ。そこで、今日はアレルギーについて先生から聞いてきました。

ドラえもん)アレルギーってよく使うけど一体何なの先生?

先生)そうだね、よく使いすぎてこの言葉にアレルギーを起こしそうなくらいだよね。人間の体ってよくできていて、何回も同じ異物が体内に入りこまないようになっている。異物が体に入ってくるとその異物に対して抗体と呼ばれる抵抗力が体の中につくられる。また同じ異物が入りそうになった時にその抗体が働いて、体を守ってくれるんだね。この反応を抗原抗体反応というんだけど、これを上手に利用したのがワクチンなんだ。でもね、この反応でかえって自分の体を傷つけてしまうこともある。これがアレルギー反応なんだ。まさに痛し痒しだね。

ド)アレルギーを起こす異物にはどんなものがあるの?

先)乳児期では食物、幼児期ではダニや花粉、成人ではペットや化粧品や金属が原因になることが多いって言われている。特に食べものが原因で起きるアレルギー反応を食物アレルギーって呼ぶんだよ。

ド)食物アレルギーではどんな症状がでるの

先)一番怖いのが血圧低下をきたすアナフィラキシーショック、その他にも蕁麻疹、喘息、下痢などいっぱいある。時には精神症状まできたすこともあるくらいなんだ。そして乳児期のアトピー性皮膚炎もその多くは食物アレルギーだと考えられているんだよ。

ド)どんな食べものがアレルギーを起こしやすいの?

先)乳児期の食物アレルギーの80%が卵白アレルギーと言われている。その他には牛乳、小麦、大豆、米の順になっている。

ド)でもどうして赤ちゃんに食物アレルギーが多いの?

先)まだ腸の働きが十分に育っていないために、食べものが消化されないままに吸収されてしまうためにアレルギーを起こしやすいなどの理由が考えられているんだ。

ド)じゃあ食物アレルギーは一生続くわけではないんだね。

先)そう、2歳くらいには腸も成長するため、一番頻度が多い卵アレルギーの60%以上が3歳までに治るといわれている。

 治療は食物除去なんだけど、そのためにはしっかりとした診断を立てることが大切。血液検査だけでは不十分だということも知っておいてほしいな。

次回も続きます。


ドラえもん



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