先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その75 小児科医のかがみの巻


 今日は、僕ドラえもん。今回は、一冊の本を紹介します。著者は元日本大学小児科教授の馬場一雄先生。今からもう30年以上も前になるんだけど、皆さんは鹿児島で生まれた五つ子のことを覚えている?その子どもたちの東京での主治医だった方で、コアラ先生が講演を聞いたり著作物を読ませていただいたりして、以前から尊敬していた先生なんだ。その馬場先生が書かれた新しい作品「花を育てるように」という本は子育て担当者向けに書かれているんだけど、この本の中で馬場先生は子育て中のお母さんやお父さんにメッセージをくださっています。


 「子どもをもつ親は誰でも、何とかしてかわいいわが子を健康で明るく賢い人間に育て上げたいと考えているでしょう。ではどうやったらよい子が育つでしょうか。育児は花を作るのに似ています。そして育児の基本を花作りから学べるのです。

バラの木にカトレアは咲かない

 草花にはたくさんの種類があって、色も姿も開花の時期も千差万別。子どもたちにもそれぞれに違った素質が与えられています。育児は限界があり、子どもの将来に過大な期待をかけて子どもたちを不幸に追い込むことは避けてください。その子が持って生まれた才能を最大限に発揮させるためにどうしたらよいかを考えてほしいのです。

無理をしないで自然に育てる

 どんな草花も氷雪や暴風雨から守ってやらねばなりませんが、それ以外は太陽の光をあび、雨水を吸収して健やかに育ちます。子どもたちもそれぞれの個性はありますが、誰もがたくましい生命力を持っているので、個性を受け入れ自然の生命力を信じて育ててください。でも多少の世話やしつけは忘れないでください。特に危険なことと道徳的に許せないことを小さいときから禁止することが大切です。

外から与える栄養が大切

 子どもたちにとって日光や肥料に相当するもの、それは父親や母親の豊かな愛情です。この愛情が親子のふれあいの中で自然に伝えられ程よい刺激になって知恵がつき安定した明るい性格が作られていくのです。

 育児のやり方は登山道のようにいくつものルートがあります。そしてどの道を選んでも結局同じ目的につくのです。新米ママたちも不安な気持ちで子どもと接したり育児を苦労と思ったりする必要はまったく無いのです。育児は楽しむべきものなのです。」

 最後にお父さんへのメッセージです。「父親の務めは、我が家に火の粉が降り、妻子に危険が迫るようなときは敢然とそれに立ち向かい家庭の安全と平和を守ることなのです。」



 皆さんはどう思いましたか?



ドラえもん



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