兵庫県西脇市にある小児科医院。予防接種、乳幼児健診など。「子どもが子どもらしく育つ環境づくり」に積極的に取り組みます。
皆さん今日は、僕ドラえもん。8月に入って、毎日暑い日が続いているけど元気? 今日は、先生の外来でよく受ける、「食事とおっぱい」について聞いてきました。 Q1 カロリーの摂りすぎはいけないんですか? A1 授乳中のお母さんは、そうでない女性より多くの栄養が必要で、厚労省によると非妊時より450kcalも多くいるんだって。ただし栄養が少ないからといって、極端に少ない場合を除いて乳児の発育に影響が出ることはないらしい。でも栄養が少ないと、お母さん自身が感染症にかかりやすくなったり、おっぱいが出にくくなることもあるらしい。カロリー制限は好ましくないよね。 Q2 乳腺炎を防ぐには脂肪の制限が必要だといわれましたが? A2 日本人が信じている「脂肪摂取と乳管の詰まりが関係ある」という根拠はまったくありません。乳腺炎の原因ではっきりしているのは、乳管の詰まりだけ。これは適切な抱き方、おっぱいの吸わせ方、制限のない授乳で予防できるんだ。脂肪を分解すると脂肪酸という成分になる。その中で、ひとが体内で作ることのできない必須脂肪酸(EPAやDHAが有名)は、赤ちゃんの神経の発達に必要で、食べて補給しなくてはいけないんだ。母乳中の脂肪酸は母親の食事に影響されるから、極端な脂肪制限はよくないことになるよね。 Q3 赤ちゃんがアトピーになるとかわいそうだから、その原因となる卵、大豆製品、乳製品を控えていますが・・・。 A3 食事制限がアトピー予防に有効だとの根拠はなく、厚労省はアレルギー疾患の発症予防のための授乳中の母親の卵・牛乳制限を勧めていません。アメリカ小児科学会も「授乳中に避けてもアトピー性疾患は予防できない」という勧告を出しているくらい。ご両親や赤ちゃんがアレルギーがあってご心配なときは、自己判断で食事制限をするのではなく、お母さんと赤ちゃんの健康のため専門医に相談してくださいね。脂肪と同じで、たんぱく質を分解するとアミノ酸になる。その中で、人が体内で合成できない必須アミノ酸の補給には、適切な量の動物性蛋白を食べることが必要なんだ。ついでに言うと、お母さんが厳格な菜食主義者の場合子どもにビタミンB12の欠乏がおきるから動物性蛋白摂取も大切だということを忘れないでね。 こうしてみると、より良い母乳を出す食事というものはなくて、逆に極端に偏った食事を摂り続けていると、赤ちゃんの成長発達に悪影響を及ぼすことがあるから、バランスよく食べることが必要だってことがわかりました。 |
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ドラえもん |