先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その78 赤ちゃんはお母さん大好きの巻


 こんにちは、僕ドラえもん。毎日暑い日が続いているけど皆さんは元気?先生ったら夏でも落ちない食欲で体重がリバウンドしてきたため、テレビでよく放映されている健康器具を買って、あわてて体重減らしに挑戦している。もうすこし間食を減らさなくちゃ、と思うんだけど・・・・

 今日はね、テレビによくでてくるあるコマーシャルソングが赤ちゃんを泣き止ませる効果があるっていうお話なんだ。

 「ピアノ売ってちょうだい♪」と財津一郎さんが歌っているコマーシャルがあるよね。たぶん良くテレビを見ている人なら見ない日がないと思うくらい放映されている。子育て真最中のお母さんには常識かもしれないけど、この歌を聞かせると、赤ちゃんが泣き止んでしまうんだ。赤ちゃんの行動を調べている同志社大学の呉先生が、お母さん方にどうしてなのかと質問され研究された結果、次のことが分かったんだ。

(1)裏声で歌っている部分が多く、女声のよそ行きのやや高い声になっている、(2)ゆったりとしたテンポでくっきり明瞭に歌われている、(3)抑揚の大きな歌い方になっている、(4)ひとつひとつのフレーズが短く、(5)繰り返しが多い。つまりこれは親が赤ちゃんに話しかけるときの話し方(マザリーズと呼ばれている)にそっくりなんだ。赤ちゃんにマザリーズや大人向けの話し方や、「千の風になって」のような芸術的な歌声を聞かせて比べてみたら、マザリーズを聞いたときが一番赤ちゃんの脳の血流が増えて、反応が高いことがわかったんだ。つまり子どもには、話しかけるように歌い、歌いかけるように話すことが大切なんだってことなんだ。

 じゃあ、どんな声でもいいかというとそうではないんだ。生まれたての赤ちゃんに自分のお母さんの声を聞かせると、心拍数が増え、ごそごそ動いていた赤ちゃんがぴたっと動きを止め、母親の声がもっと聞こえるように、自分の哺乳行動まで変化させることが分かったんだ。そして、未熟児の研究では、赤ちゃんに子守唄を聞かせると、発育や発達に効果があるだけでなく、親自身の精神的な安定が得られるという効果のあることもわかったんだ。お母さんの子守唄が一番てことだね。

 「ぜひ子守唄を歌いたいんですが、何しろ音痴で・・」と悩まなくても大丈夫。自分の好きな歌を子守唄風にアレンジしても良いし、ハミングでいいんだよ。別に歌でなくても子守唄のスタイルで、赤ちゃんに自然に話しかければ好いってこと。自分の子どもに対する素直な気持ちをそのまま話しかけるように歌うってことだよね。でもあのコマーシャルソングがよいからといっても、2歳まではあまりテレビを見せないでね。


ドラえもん



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