先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その81 冬の風邪物語の巻


 こんにちは、僕ドラえもん。今年一年いろんなことがあったけど、なんといっても一番の出来事は新型インフルエンザの流行だよね。秋から冬にかけて西脇でも大流行。先生いわく、「おかげでストレス太り。せっかく苦しい目をして体重を減らしたのに元の木阿弥だよ。」だって。  

 インフルエンザばかり目立っているけど、毎年冬になるといろんな病気が流行ってくるんだ。今回はそんなお話を先生から聞いてきました。

 なぜ冬に風邪が流行るかというと、冬は気温が低く空気が乾燥しているため、ウイルスが活動しやすいし、乾燥することで鼻やのどの粘膜の防御作用が弱まってしまうからなんだ。また寒いためどうしても室内で過ごすことが多く、年末年始で人が集まる機会が多いこともかぜが流行しやすい理由だと考えられているんだよ。

 多くの風邪の中で特に有名なものをあげると、まずライノウイルスパラインフルエンザウイルスがある。典型的な風邪症状、つまり、咳・鼻水・くしゃみ・のどの痛み・発熱を引き起こすんだ。またアデノウイルスもよく知られているウイルスで、これはプール熱などの夏風邪を起こすことでも有名なんだけど、実は冬でも悪さをするらしく、風邪症状のほかに発熱・嘔吐・腹痛などの消化器症状を伴ったり、ひどい場合は赤ちゃんの重症の肺炎を起こすこともあるので要注意なんだ。

 ウイルスの名前ばかりあげて申し訳ないけど、一番覚えていてほしいウイルスはRSウイルス。このウイルスは世界中に広がっていて、毎年冬に流行しているんだ。症状は、発熱・鼻汁・喘鳴(気管支が狭くなり、ぜーぜーする音が聞こえること)などなど。なぜこのウイルスが問題となるかというと、かかると軽い風邪症状で済むことは少なく、多くは肺炎などの重症感染症になってしまうからなんだよ。健康な乳幼児でもひどい肺炎を起こすんだけど、特に未熟児や生まれつき心臓に病気を持っている子ども、生まれつき免疫ができない子どもがかかると死亡率が高くなるんだ。そのため、これらの子どもたちには、冬の間毎月1回予防薬を無料で注射できるように県や市から補助があるんだ。

 感染を疑う症状としては、先生の経験では、生後1歳までの赤ちゃんで、鼻水が出てきた後、咳や喘鳴ができたらまず間違いないって言ってたよ。先生の考えでは、検査キットでRSウイルスを確認したら、小さい赤ちゃんなら絶対入院を勧めるんだって。

 他にも知ってほしいウイルスはあるけど今回はここまで。

 今年一年ドラえもんのポケットのご愛読ありがとうございました。また来年もよろしくね。


ドラえもん



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