先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その83 子どもの救急ガイドラインその1の巻


 皆さん今日は、ぼくドラえもん。

 西脇では「西脇小児医療を守る会」の活動で、緊急でもない病気なのに時間外に受診するいわゆる「コンビニ受診」は減ってきました。でもそのかわり、夜間や休日に子どもの病気で病院に行くべきかどうか悩んでいるお母さんたちが増えてきたんじゃないかと藤田先生は心配しています。で、兵庫県医師会と県との協働で作成した「子どもの救急ガイドライン」を紹介します。どんな症状のとき救急外来に急いで受診するべきか待ってもよいのかを簡単に区別できるパンフレットなんだよ。先生もすこし作成に関わったらしい。今回から、何回かに分けて説明するね。兵庫県医師会のホームページにも載っているからダウンロードしてくださいね。



子どもの救急ガイドライン(1)

症状別に受診方法を3段階に分けています。

緊急1度:すぐに救急車を呼ぶ

緊急2度:救急車は呼ばずに救急を受診する

緊急3度:翌日まで待ってかかりつけ医に見てもらう


子どもの体調が悪いときにまずみて欲しいのは、

1)食欲があるか

2)機嫌がよいか

3)睡眠ができるか

4)いい便が出ているか

これらがすべてOKならまず心配はありません。


では、症状別に見ていくね。

熱がでた(38.5℃以上)

年齢3ヶ月未満の発熱
  
緊急2度です。すぐに救急受診してください。この時期の赤ちゃんは重症であっても症状が目立ちません。そして気がついたときにはすでに重症になっていることもあります。この年齢のこどもの発熱は小児科専門医でも怖いのです。お母さんが見ていていつもと違っていたら必ず受診してね。

年齢3ヶ月以上の乳幼児の発熱

  次の症状が見られますか?

   □元気がなく、ぐったりしている

   □12時間以上おしっこがでない

   □眠ってばかりで、あやしても笑わない

   □水分を受け付けない

   □けいれんをした

   □吐いて頭痛を訴える

   □呼吸が苦しそう

ひとつでも「はい」があれば緊急2度です。すぐに受診しましょう。

そうでなかったら明日まで待ってください。

解熱剤はあまり使わないほうがいいんだけど、機嫌がすごく悪いようなら使ってもいいんだったよね。その場合、使ってもいいのはアセトアミノフェンとイブプロフェンの二つだけだってことを思い出してくださいね。(商品名はいろいろあります) 

発熱したとき小児科医が注意しているのは、脱水を起こしていないか、生命に関わる感染症を起こしていないかなんだ。中でも細菌性髄膜炎は一番恐ろしい病気。意識状態が悪く、頭痛や嘔吐が見られるときは要注意!!!



ドラえもん



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