先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その89 子どもからの危険信号その1の巻


 みなさん今日は、僕ドラえもん。今年は例年に比べ雨が多いよね。それもゲリラ豪雨といって、とんでもない量の雨が降ってくる。雨が降るたびに、先生は嫌な気分になって体が重くなるから仕事を休もうなんて言っている。晴れの日でも仕事をしたくない先生を見ている僕としては、これは先生の怠け病だって思っているんだけど、先生は六年前の水害のことが頭によぎってくるから、絶対心身症だって言いはっている。そこで今日は心身症のお話。

 心身症っていうのは、心の病気が体に現れてくる病気のこと。子どもの心は未熟だけど、やっぱりいろんなストレスを感じているんだ。一番多いのはお母さん(親)から受けるストレス。ついで兄弟姉妹から受けるもの。大きくなれば友達や学校の先生からもストレスを感じている。多くの大人はストレスがあっても、お酒を飲んだり趣味に興じたりして適度に選択調整して防衛しているんだけど、子どもは自分の身を守るすべを知らないからストレスをまともに受けてしまう。ボクシングで言えば、相手に打たれっぱなしのサンドバック状態といったところ。と、先生は奥さんとの関係を持ち出して僕に説明していたけど、そんなことを言うからいつも打たれ放題になるんだよきっと。

 心身症にはどんな病気があるか教えてもらったよ。



心身症とは

赤ちゃん:夜泣き・乳吐き・便秘・下痢体重が増えないなど

幼児期や学童期:身体各部の痛み、消化器の障害、持続する微熱、咳、動悸息苦しさ、夜尿、しびれるなどの感覚異常、立てない歩けないなどの運動器の異常など

 つまりあらゆる病気が考えられるってこと。先生は外来に来た子どもには常に頭のどこかで、心身症を疑っているということでした。



 それじゃ心身症だって強く感じるのはどんな時かって聞きました。



心身症だと感じるとき

1)症状が決まった時間にでる(朝に多い)

2)その症状が時間単位で変わる

3)訴えのわりには症状がかるい

4)訴えが次々にかわってくる

5)肩こりや疲れなどの子どもらしくない訴えをする

6)日曜日には症状が消える

7)これまで、大人からは「良い子」と思われていて、几帳面で、負けん気が強く、感受性が高い子が症状を訴えている

などをあげてました。



 先生は次のように言っています。「子どもは毎日のように心に外傷をうけています。でも、実はお母さんに抱かれて甘え、喜怒哀楽をすべて出すことでそのストレスを解消しています。でももしお母さんに抱かれもせず、逆に気を使い、じっと我慢していると心身症になってしまいます。心身症というのは、子どもだけの問題ではなくて、子どもと母親のすれ違いで起こってくるのです。」

 次回は「心身症を疑う子どもの気になるサイン」についてのお話をするね。


ドラえもん



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