先生のおはなし

連載コラム「ドラえもんのポケット」

その96 ケータイも危ないの巻


 皆さん今日は、ぼくドラえもん。今年もはや3月。今先生の外来はインフルエンザで大忙し。今年は新型・香港型・B型の3種類が流行っているから、1回罹ったからといって安心しないでね。

 さて今回のテーマは携帯電話。以前テレビが危ないっていうお話をしたことがあったけど、携帯電話も危ないというお話だよ。

 携帯電話の機能はすごいよね。電話機能、メール機能、インターネット機能、ナビゲーション、テレビ受診、カメラ機能、お財布機能、音楽再生プレーヤーと多岐にわたっている。秘密だけど先生は器械オンチだから、どうやらせいぜい電話とメールくらいしか使えていないらしい。

 ちょっと前のデータになるけど、小学生で30%、中学生で60%、高校生で90%の普及率。すごい人数の子ども達が携帯を使っているんだね。こんなに便利な携帯なんだけど、怖いものでもあるってことは案外知られていない。

 まず携帯電話依存症の問題があるんだ。60%くらいの子どもの使用時間は1時間以内なんだけど、中には5時間以上、中には1日のほとんど使いっぱなしの子どももいるんだって。親が取り上げると、それが元で家庭崩壊につながるらしい。

 でも問題はここからだよ。ある調査によると、3時間以上携帯電話に接触している子どもは、接触しない子どもより、自分のことが好きでなく、自分には良いところがないと考えているんだって。逆に3回以上死にたいと思ったり、自分の命は自分の自由にして良いと答えた割合が多かったんだ。携帯をしている子どもは、自己肯定感が少ないということだね。携帯・ネットの世界では「キモい」、「うざい」、「病む」、「逝け」、「死ね」等のことばが日常的に使われている。これらの言葉を日常的に使うことで、相手を傷つけるだけでなく自分自身を傷つけ、自己肯定感を傷つけるんだ。思春期の心の揺れを増やし、激しく攻撃的な感情を生み、人格形成に悪影響を与えるんだって先生が言ってたよ。  

 またネットにはまっている子どもは同世代の子どもたちが日常的に飲酒、喫煙、薬物、性逸脱行動している様子をネットを通じて多数見ている。このことは子どもたちのモラルの低下を招き、非行行動への敷居を下げることになる。

 つまり携帯の問題点として、?犯罪の加害者になる?犯罪の被害にあう?誹謗中傷、いじめを受ける、行う?常時携帯、長時間使用による依存?人格形成や心身発達への悪影響?人間関係における問題解決能力が未熟などがあげられるんだ。

 携帯の持つパワーはとっても強くて、一度ゆだねてしまうと、心も体もおかしくなってしまう。子どもたちの身近にいるすべての大人がそのことに気づき、適切な対応をしなければ、数年後には社会が成り立たなくなるかもしれないって先生は心配しています。


ドラえもん



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